TP270C (チタン1種) の概要と成分について

TP270C (チタン1種) の概要と成分について

TP270C (チタン1種) 耐食性に非常に優れた材料で、空気中はもちろん、海中でも白金と同等の耐食性で酸化しません。TP270 Hという規格もありますが、これは熱間圧延の材料で、ここではTP270 C(=冷間圧延)について記載しています。

TP270Cは、純チタンの中でも最も純度が高く、柔らかく加工性に優れいているため耐食性が必要なプレス曲げ加工品や絞り加工品などの製品に使用されています。
ホンダが2017年3月に発売したCBR1000PR SPの燃料タンクには、このTP270Cが使用されているそうですね(1)。

TP270C エンジンフレーム

純チタンは他にも、TP340C(2種)TP480 C(3種)、TP550C(4種)があり、数字が若い方が純度の高いチタンとなります。

製造会社:新日鉄住金、等

TP270C の成分・特性一覧(JIS H 4600)

化学成分(単位:%)

N 0.03以下
C 0.08以下
H 0.013以下
Fe 0.20以下
O 0.15以下
Ti 残り

機械的性質

引張強さ
(MPa)
耐力
(Mpa)
伸び
(%)
270〜410 165 以上 10 以上

板厚公差

板厚 公差
0.2 未満 メーカー規格
0.2 以上 0.4 未満 ±0.05
0.4 以上 0.6 未満 ±0.06
0.6 以上 1.0 未満 ±0.09
1.0 以上 1.5 未満 ±0.13
1.5 以上 2.0 未満 ±0.16
2.0 以上 3.0 未満 ±0.20