レーザー加工について

レーザー加工について

レーザー加工とは

レーザー加工とは、光のエネルギーをレンズで集めて、高密度のレーザー光として出力し、熱エネルギーで対象物を融解・蒸発させる技術のことです。

歴史

レーザー技術は、アルバート・アインシュタインによって提唱された技術です。その後、1960年に最初のレーザーがヒューズ研究所にて、セオドア・H・メイマンが波長694nmのルビーレーザーを発明したことによって進化を遂げました。

しかし、ルビーレーザーは、連続して大出力を得ることが出来ず、エネルギー効率も非常に低かったのですが、大出力炭酸ガスレーザーが開発され、波長が約10.6μの高エネルギー密度の連続的な出力が可能となりました。

現在では、CO2レーザー、YAGレーザー、ファイバーレーザー、エキシマレーザーなどが開発されています。

原理

レーザー加工は、レーザー発振器内で励起されたレーザー光を集光レンズで細く絞ることで光を集中させ、威力を格段にあげて素材を溶かします。そうして溶かした金属をアシストエアーで瞬時に飛ばして、穴をあけた部分をきれいにしていきながら材料を掘り進めていきます。

レーザー加工の原理
レーザー加工の原理

レーザー加工の種類

レーザーは、大きく気体レーザー、液体レーザー、固体レーザーに分類され、発振媒体や発振媒質などによって名前が付けられています。CO2 レーザーは炭酸ガスを発振媒体にする気体レーザー、YAGレーザーとファイバーレーザーは固体レーザーです。

炭酸ガスレーザー加工(CO2レーザー加工)

CO2レーザーは最も普及しているレーザーで、金属、非金属の切断、穴あけ、溶接、表面改質などに応用されています。

金属加工では主に、鋼材、ステンレスで使用されます。ステンレスはカット部に焼き入った様な見た目になるため、これを無くしたい場合は、クリーンカットと明記しておけば良いでしょう。CO2レーザーは、卓上レーザーもあり個人向けにも販売されているレーザー加工機です。

ただし、反射率の高い材質を嫌う加工機が多く、一般的なレーザー加工機ではアルミニウム、真鍮、銅などの金属加工が苦手で、材料を選んでしまい、高精度な加工も苦手です。また、バリなどが出やすいため、バリが悪影響を及ぼす場合には加工後にはバリ取りが必要になります。

YAGレーザー加工

YAGとは、
イットリューム  (Yttrium)
アルミニウム   (Aluminium)
ガーネット    (Garnet)
の頭文字をとって【YAG(ヤグ)】といいます。 工業用から転用して医療用としても知られているレーザーです。カットもできる様ですが、溶接加工によく使われる加工方法にです。

ファイバーレーザー加工

ファイバーレーザーは、CO2レーザーに比べてエネルギー効率が高く、集光性にも優れているため、より小さな集光径で加工ができるため、歪みの少ない加工ができます。

また、ビーム吸収率も高いため、反射率の高い銅や真鍮の加工もできるようになりました。

ただ、加工機の価格がかなり高額なため、加工費はCO2に比べると高いイメージです。

主なレーザー加工機メーカー(金属)