A1070(純アルミ)の概要と成分について

A1070(純アルミ)の概要と成分について

A1070 とは純アルミの1種で純度99.70%以上のアルミニウムのことです。

A1070 は、純アルミのため強度は劣りますが、曲げ加工や絞り加工などの成形性、溶接性、耐食性が良いのが特徴です。そのほか表面処理性、導電性、熱伝導性にも優れた材料です。また、純度が高いとアルマイト後の光沢も綺麗になるので、化粧品のキャップなどに使用されています。

製造メイカー:三菱アルミニウム株式会社昭和電工株式会社アカオアルミ株式会社
※板状に成形しているメイカーです。

A1070のアルマイト処理

A1070 は純アルミになるので、酸化し変色してしまいます。一度酸化してしまえば、一般的な環境下では侵食することはないので安定しますが、自然に酸化してしまうと美観を損なってしまいます。そこで、人工的に酸化させて美観上綺麗にするのがアルマイトです。

アルマイト(陽極酸化処理)とは、アルミニウムを陽極(+極)で電解処理して
人工的に酸化皮膜(アルミの酸化物)を生成させる表面処理のことです

アルミニウムは酸素と結びつきやすく、空気に触れていると非常に薄い酸化皮膜を作ります。
この自然に作られる皮膜で保護されているので一般的に錆びにくい、いわゆる耐食性が良いといわれています。
しかし、この皮膜は非常に薄いので、環境によっては化学反応で腐食してしまいます。そのため表面を保護する表面処理、すなわちアルマイトが必要となります。
引用元:http://www.kashima-coat.com/aluminum/anodized-aluminum.html

また、アルマイト処理を行う際に着色できることもアルミニウムの特徴で、アルミニウム純度が高いほど、光沢がでるのですが、A1070 だとこのような見た目になります。

a1070_アルマイト1a1070_アルマイト2

A1070 の成分・特性一覧

化学成分(JIS H 4000:2014)

Si 0.20以下
Fe 0.25以下
Cu 0.04以下
Mn 0.03以下
Mg 0.03以下
Cr
Zn 0.04以下
V 0.05以下
Ti 0.03以下
その他 0.03以下
Al 99.70以上

機械的性質

調質 厚さ
mm
引張強さ
N/mm2
耐力 伸び(A50mm)
O 0.2以上 0.3以下 55以上 95以下 - 13以上
0.3を超え 0.5以下 - 15以上
0.5を超え 0.8以下 - 20以上
0.8を超え 1.3以下 15以上 25以上
1.3を超え 13.0以下 15以上 30以上
H12
H22
0.2以上 0.3以下 70以上 110以下 - 2以上
0.3を超え 0.5以下 - 3以上
0.5を超え 0.8以下 - 4以上
0.8を超え 1.3以下 55以上 6以上
1.3を超え 2.9以下 55以上 8以上
H14
H24
0.2以上 0.3以下 85以上 120以下 - 1以上
0.3を超え 0.5以下 - 2以上
0.5を超え 0.8以下 - 3以上
0.8を超え 1.3以下 65以上 4以上
1.3を超え 2.9以下 65以上 5以上
H16
H26
0.2以上 0.5以下 100以上 135以下 - 1以上
0.5を超え 0.8以下 - 2以上
0.8を超え 1.3以下 75以上 3以上
1.3を超え 4.0以下 75以上 4以上
H18 0.2以上 0.5以下 120以上 - 1以上
0.5を超え 0.8以下 2以上
0.8を超え 1.3以下 3以上
1.3を超え 3.0以下 4以上
調質 厚さ 内側半径
O 0.2以上 6.0以下 密着
H12
H22
0.2以上 6.0以下 密着
H14
H24
0.2以上 0.8以下
0.8を超え 6.0以下
厚さの0.5倍
厚さの1倍
H16
H26
0.2以上 0.8以下
0.8を超え 6.0以下
厚さの1倍
厚さの1.5倍
H18 --  --

板厚公差

板厚  幅450以下 幅450を超え 900以下 幅900を超え 1200以下
0.20以下 ±0.03 ±0.03 ±0.05
0.20を超え 0.25以下
±0.03
±0.04
±0.05
0.25を超え 0.45以下 ±0.04 ±0.04 ±0.05
0.45を超え 0.70以下 ±0.04 ±0.05 ±0.06
0.70を超え 0.90以下 ±0.05 ±0.05 ±0.06
0.90を超え 1.1以下 ±0.05 ±0.06 ±0.08
1.1を超え 1.7以下 ±0.06 ±0.08 ±0.10
1.7を超え 1.9以下 ±0.06 ±0.08 ±0.10
1.9を超え 2.4以下 ±0.08 ±0.08 ±0.10