C5191 (リン青銅)の概要と成分について
		  		        
      
C5191 は、銅に錫(Sn)と燐(P)を添加した材料で、燐の含有量はどのリン青銅も同じ基準値ですが、錫の含有量を変えて特徴を出しているようです。
また。リン青銅の薄板はC5210とC5191の2種類が主に流通しており、C5191を製造しているメーカーは、JX金属株式会社、清峰金属工業株式会社、 株式会社原田伸銅所の3メーカーが主に製造しているようです。
C5191PとC5191Rの違いについて
また、C5210の後ろにPかRと記載してある場合がありますが、これは板材かコイル材かを記しています。板材は巻きグセを取った状態になっていますが、コイル材は巻きグセがありますので、製品によっては先に癖を取ってから加工する必要があります。
PBPは、C5191と同じ?
旧JIS規格の品番で、リン青銅(C5191)をPBPと記してある場合がありますが、これはリン青銅は英語で「Phosphor Bronze」で、それに板材「Plate」の頭文字を取ってPBPと記載しているようです。
C5191 の成分・特性一覧
化学成分(%)
| Sn | P | Pb | Fe | Zn | Cu | Cu+Sn+P | 
| 5.5〜7.0 | 0.03〜0.35 | 0.02以下 | 0.10以下 | 0.20以下 | 残り | 99.5以上 | 
物理的性質
| 比重 (20℃)  | 
熱膨張係数 (0~100℃)10-6/K  | 
熱伝導度 (20℃)W/(m・K)  | 
導電率 %IACS  | 
体積抵抗率 μΩ・m  | 
比熱 J/(kg・K)  | 
縦弾性係数 Gpa  | 
横弾性係数 Gpa  | 
ポアソン比 | 切削係数 %(快削黄銅を100とした場合)  | 
| 8.83 | 18.0 | 67 | 13 | 0.133 | 377 | 105 | 40 | 0.33 | 20 | 
機械的性質
| 調質 | 引張強さ(MPa) | 伸び(%) | 硬さ(HV) | ばね限界値(Mpa) | 
| O | 315以上 | 42以上 | – | – | 
| 1/4H | 390〜510 | 35以上 | 100〜160 | – | 
| 1/2H | 490〜610 | 20以上 | 150〜205 | – | 
| H | 590〜685 | 8以上 | 180〜230 | – | 
| EH | 635〜720 | 5以上 | 200〜240 | – | 
| SH | 690以上 | – | 210以上 | – | 
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