C1020 (無酸素銅)の概要と成分について

C1020 (無酸素銅)の概要と成分について

C1020 は、無酸素銅と呼ばれ、タフピッチ銅、りん脱酸銅と共に、銅の割合が99.5%以上の純銅の一つです。この純銅の中でも無酸素銅というのは、酸素の含有量が3つの中で最も低い純銅(1)で、その酸素量は0.001%〜0.005%となります。

主な製造メイカー:三菱伸銅株式会社三井住友金属鉱山伸銅株式会社古河電気工業株式会社三谷伸銅株式会社
画像引用元:有限会社 こだま製作所

JIS規格によれば銅の特色としては、導電性、熱伝導性、展延性、絞り加工性に優れ、溶接性、耐食性、耐候性がよく、還元性雰囲気中で高温に加熱しても水素脆化を起こす恐れがないようです。

酸素含有量がもたらす影響

この酸素含有量が多いと、アーク溶接などでは、水蒸気が発生しブローホールが出来てしまうそうです(2)。アーク溶接を行う際、酸素含有量においては、無酸素銅を使う方がいいと言うことで、レーザー溶接やスポット溶接の様に熱影響が少ない溶接の場合は考慮しなくても良さそうです。

C1020 の成分・特性一覧

化学成分(%)

Cu
99.96以上

物理的性質

比重8.94
熱膨張係数
(20〜300℃)10-6/K
17.7
熱伝導度
(20℃)W/(m・K)
391
体積抵抗率
μΩ・m
0.0171
導電率
%IACS
101
縦弾性係数
Gpa
118

(メーカー規格)

機械的性質

引張試験 曲げ試験*1 硬さ試験(参考)
厚さ
mm
引張強さ
N/mm2
伸び
厚さ
mm
曲げ角度 内側半径 厚さ
mm
硬さ*2
HV
0.10以上 0.15未満 195以上 20以上 2.0以下 180° 密着 - -
0.15以上 0.30未満 30以上
0.30以上 4.0以下 35以上
引張試験 曲げ試験*1 硬さ試験(参考)
厚さ
mm
引張強さ
N/mm2
伸び
厚さ
mm
曲げ角度 内側半径 厚さ
mm
硬さ*2
HV
0.10以上 0.15未満 215〜285 15以上 2.0以下 180° 厚さの0.5倍 0.30以上 55〜100
0.15以上 0.30未満 20以上
0.30以上 4.0以下 215〜275 25以上
引張試験 曲げ試験*1 硬さ試験(参考)
厚さ
mm
引張強さ
N/mm2
伸び
厚さ
mm
曲げ角度 内側半径 厚さ
mm
硬さ*2
HV
0.10以上 0.15未満 235〜315 - 2.0以下 180° 厚さの1倍 0.20以上 75〜120
0.15以上 0.30未満 10以上
0.30以上 4.0以下 245〜315 15以上
引張試験 曲げ試験*1 硬さ試験(参考)
厚さ
mm
引張強さ
N/mm2
伸び
厚さ
mm
曲げ角度 内側半径 厚さ
mm
硬さ*2
HV
0.10以上 10.0以下 275以上 - 2.0以下 180° 厚さの1.5倍 0.20以上 80以上

(JIS H 3100)
*1 曲げ条件試験を示す。
*2 最小試験力は、4.903Nとする。

板厚

板厚は調べれただけ板厚になりますので、商社や問屋によっても取り扱ってる板厚は変わります。
表で常にある在庫としては無かったのですが、t0.06などのt0.1未満もあるようです。

板厚t0.1, t0.2, t0.3, t0.4, t0.5, t0.6, t0.7, t0.8, t1.0, t1.2, t1.5, t1.6, t2.0

※t2.0以下のみ

板厚公差

厚さ幅または径
400以下400を超え700以下700を超え1000以下1000を超え1250以下1250を超え1500以下1500を超え1750以下1750を超え2000以下
0.10以上 0.15以下±0.02
0.15を超え 0.25以下±0.02±0.03
0.25を超え 0.35以下±0.03±0.04±0.06
0.35を超え 0.50以下±0.04±0.05±0.07±0.15
0.50を超え 0.80以下±0.04±0.06±0.08±0.16
0.80を超え 1.2以下±0.05±0.08±0.10±0.18±0.28±0.35
1.2を超え 2.0以下±0.06±0.10±0.12±0.22±0.33±0.40 ±0.50

(JIS H 3100)

結晶粒度

質別製品記号結晶粒度
公称最小最大
O C1020 P-O
            PS-O
            R-O
            RS-O
0.050

単位:mm
(JIS H 3100)