C5050 (リン青銅)の概要と成分について
C5050 のリン青銅は、銅に錫(Sn)1.0~1.7%を添加した銅合金で、脱酸するときに燐(P)を使用するため、燐が僅かに入っています。(リン青銅という名前なのに、メインは錫を添加するんですね。)
製造メーカー:古河電気工業株式会社、株式会社原田伸銅所 など
導電性や熱伝導性に優れているリン青銅
C5191やC5210の材料は、リン青銅の中でもバネ性に優れた材料ですが、C5050は、導電性や熱伝導性に優れており、リードフレームや基盤に使用されることから、調べた限りでは、箔材しかないようです。
C5050 の成分・特性一覧
化学成分
Pb | Fe | Sn | Zn | P | Cu+Sn+P |
7.0〜9.0 | 0.03〜0.35 | 0.02以下 | 0.10以下 | 0.20以下 | 残り |
物理的性質
比重 | 熱膨張係数 (0~100℃)10-6/K |
熱伝導度 W/(m・K) |
導電率 %IACS |
体積抵抗率 μΩ・m |
比熱 J/(kg・K) |
縦弾性係数 Gpa |
8.89 | 17.8 | 201 | 48 | 0.144 | 377 | — |
機械的性質
調質 | 引張強さ(MPa) | 伸び(%) | 硬さ(HV) |
O | 240以上 | 40以上 | — |
1/4H | 240〜330 | 30以上 | 60〜120 |
1/2H | 330〜450 | 10以上 | 90〜155 |
H | 390〜500 | 3以上 | 120〜165 |
EH | 460以上 | — | 140以上 |